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耳鼻咽喉科は日本発祥!?医療英語を勉強すると耳鼻科領域がなくて衝撃|ドラマで主役にならない耳鼻咽喉科の話

2022年9月16日

耳鼻咽喉科は日本発祥、医療ドラマになりにくい

とある夜勤で、仲の良い耳鼻科医がナースステーションに顔を出してきました。

医師

今度の学会、英語で発表なんだよね~できる気がしない。
アプリに翻訳してもらって、なんとか原稿作ってる。

私は医療英語を勉強中なので、時間があったら休憩中に勉強しようと思い、教材を持ってきていました。

英語は苦手と言えども医学部卒業してるし、自分の領域の英語は得意でしょ!
先生、おしえて~

耳鼻科医なので、持っていた教材の耳鼻科領域の章を開こうとしましたが、呼吸器、循環器、消化器、内分泌・・・といろいろな診療科のページがあるのに、耳鼻科のまとめがありません

あれ?耳鼻科ないです・・・あれ?

するとその耳鼻科医が、言いました。

医師

あー、耳鼻科は日本発祥だから、海外の看護系の教科書では耳鼻咽喉科の括りはないかもね

海外にも、耳鼻咽喉科という括りはあります!

今まで医療英語の勉強をしていたのに、こんな衝撃的なことに気づかなかったとは!!!
おもしろいなと感じたので帰宅後詳しく調べてみました。

英語教材の領域分け

オーストラリアでは

私はオーストラリアで「アシスタントナース」の資格を取るため、専門学校に通っていました。
その際に使用していた教科書を見てみると、解剖のページは下記のように領域分けがされていました。

  • integumentary (skin):外皮系(皮膚)
  • skeletal:骨格系
  • muscular:筋肉系
  • cardiovascular:心臓血管、循環器系
  • respiratory:呼吸器系
  • gastrointestinal:胃腸系
  • urinary:泌尿器系
  • endocrine:内分泌系
  • lymphatic and immune:リンパ、免疫系
  • reproductive:生殖器系
  • nervous:神経系

日本でいう耳鼻咽喉科については、呼吸器系と消化器系(胃腸系)に分少しずつ載っていました。
しかし、咽頭・喉頭や気管などは載っているものの、耳や鼻の解剖などは載っていませんでした。

日本国際看護師養成研修では

大阪府看護協会の主催する「日本国際看護師養成研修」の使用テキストであるBecause We Careでは、下記の分類となっていました。

  • Musculoskeletal System:筋骨格系
  • Cardiovascular System:循環器系
  • Respiratory System:呼吸器系
  • Digestive System:消化器系
  • Brain, Nervous System and Sensory System:脳・神経・感覚系
  • Urinary System:泌尿器系
  • Reproductive System:生殖器系
  • Endocrine System:内分泌系

オーストラリアでの教材と同様、呼吸器系と消化器系に耳鼻咽喉科領域の内容が入っている他、「感覚器」に耳の解剖等が載っていました。
鼻の解剖は載っていません

医師

このイラスト、前庭神経がおかしいよ~

どうやらクオリティーも高くはない様子です。

日本の教科書は?

私が看護学生時代に使用していた「医学書院」の教科書では、「耳鼻咽喉」でしっかり厚みのある1冊が作られていました
他の領域と比較し、全く見劣りしない、立派な教科書です。
日本の教科書では、きちんと「耳鼻咽喉科」の地位は確立されていることがわかります。

ちなみに、日本の病院では「腎臓内科」と括るところが多いと思いますが、医療英語の教材では、腎臓内科の領域は「泌尿器系」の中にしっかり入っています。
医学書院の教科書は、「腎・泌尿器」で1冊となっていました。

耳鼻咽喉科の歴史

日本発祥

日本耳鼻咽喉科学会(日耳鼻)は、1893年(明治25年)に欧州の留学から帰国した金杉英五郎(日耳鼻の初代会長)が設立しました。
同時に世界で初めて耳科、鼻・咽頭科、喉頭科を一つにまとめ、耳鼻咽喉科学という学問体系を作りました
すなわち日本が耳鼻咽喉科学の発祥の地です。
なお現在では多くの大学で“耳鼻咽喉(科)・頭頸部外科学”という講座や教室名となっています。

参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

幅広い内容

耳鼻咽喉科は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢の多岐にわたる疾患を外科的あるいは内科的に診療する感覚器・運動器化分野です。

  • 耳科学:中耳炎、聴覚、平衡など
  • 鼻科学:副鼻腔炎、アレルギー、嗅覚など
  • 口腔・咽頭科学:舌・口腔・咽頭などの疾患、味覚や睡眠時無呼吸など
  • 喉頭科学:音声、言語、嚥下など
  • 頭頸部外科学:頭頸部腫瘍など(Otorhinolaryngology Head and Neck Surgery)

境界領域が多い

  • 眼科
  • 形成外科
  • 小児科
  • 脳神経外科・内科
  • 呼吸器外科・内科
  • 消化器外科・内科
  • リハビリ科
  • 歯科
  • 口腔外科
  • 腫瘍内科
  • 救急科

など他科との境界領域が多いのも、耳鼻咽喉科の特徴です。

耳鼻科医は病院内に知り合いが多いです

耳鼻科医は医療ドラマにならない!?

医療ドラマはとても人気で、以前は外科医ばかり注目されていましたが、近年幅広い診療科が取り上げられていますよね。

しかし、よく考えると耳鼻科医が主役の医療ドラマってない気がします・・・(私が知らないだけかもしれませんが)

私が実際に観ていたものを中心に、有名な医療ドラマと主要な診療科を紹介します。
※「外科医」は領域がはっきりわからない(ない?)ものもあります。

  • Doctor-X~外科医・大門未知子~:外科医・麻酔科医
  • 白い巨塔:消化器外科医
  • DOCTORS~最強の名医~:消化器外科医
  • 医龍‐Team Medical Dragon‐:外科医・麻酔科医
  • ブラックジャックによろしく:外科医
  • チーム・バチスタの栄光:心臓血管外科医
  • 救命病棟24時:救命救急センターの外科医・心臓外科医など
  • コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-:救急医・脳外科医・産婦人科医
  • JIN-仁-:脳外科医
  • ブラックペアン:心臓血管外科医
  • 恋は続くよどこまでも:循環器内科医
  • 神様のカルテ:消化器内科医(肝胆膵領域)
  • コウノドリ:産婦人科医・新生児科医
  • グッド・ドクター:小児科医
  • アンナチュラル:法医解剖医
  • フラジャイル:病理医
  • ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~:放射線科医
  • Dr.コトー診療所:外科医・僻地医療
医師

法医学や病理、放射線科も注目されているのに、耳鼻科はない・・・(T_T)

耳鼻咽喉科はがんの手術も多いですし、緊急気管切開術などは1分1秒を争う緊迫した場面での救命のため、ドラマ・映画になっても不思議ではないと思うのですが、なぜか取り上げられません。

海外の医療ドラマを参考にして日本でも制作しているなら、耳鼻咽喉科がないのは納得かも?

まとめ

日本にいると、街中を歩けば「耳鼻咽喉科クリニック」はたくさんありますし、総合病院や大学病院でも「耳鼻咽喉科」は必ずあります。
看護学生が「何科に配属されたいか」と話すときにも、耳鼻咽喉科は人気のある領域の1つです。

しかし、海外では「耳鼻咽喉科」は日本とは少し違った位置づけの診療科なのかもしれません。
もちろん耳鼻咽喉科領域の病気はありますし、治療も進歩しています。
ただその内容を「耳鼻咽喉科」と括らない場合もあるようで、呼吸器や消化器、感覚器としてそれぞれの診療科が対応していることも多いです。

そして、いつか耳鼻科医が主役となる医療ドラマもできるのでしょうか?

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