看護師になり、最初の職場は三次救急まで受け入れるような大きな総合病院でした。
新人時代の苦労、看護師の楽しさ、大好きな同期の話などは、また別の記事に書きます。
とても忙しかったですが、人間関係に恵まれ、新人看護師として勉強になる環境で、全く仕事が嫌で退職したわけではありませんでした。
しかし、海外で働きたいという夢があったので、先輩のフォローなく一通りの仕事ができるようになったと感じた4年目で、一度日本の医療現場を離れる決断をしました。
カンボジアでの短期医療ボランティア
クメール語が難しい
クメール語の難しさと識字率の低さ
私の海外での経験1つ目は、カンボジアでの短期医療ボランティアです。
カンボジアには旅行で訪れたことがあり、大好きな国なので、観光も兼ねて行ってきました。
旅行で行ったのはアンコールワットなどがあるシェムリアップでしたが、医療ボランティアは首都プノンペンから車でしばらく移動した地域で、雰囲気は観光地とは大きく異なりました。
恥ずかしながら、カンボジアの歴史を大して勉強せずに行っており、ポルポト政権時代のことなど、本当になんとなくの知識しか持っていませんでした。
なので、現地の病院で驚いたことの一つは、識字率の低さです。
大人でも、字をほとんど読むことができず、自身の名前ですら、字を知らない方もいました。
また、カンボジアはクメール語を使うのですが、そのクメール語がなんとも難しい!!!
日本では、患者間違い防止のため、患者さんに名前を名乗ってもらい、スタッフと患者さんとでカルテの名前と一致していることを確認するのが一般的かと思いますが、
カンボジアでは患者さんが名乗っても、患者さんはカルテの自分の名前を見てもわからない
スタッフはスタッフで、患者さんが名乗ってくれた言葉を聞き取れないので、カルテの名前と一致しているのかわからない・・・
なので、その病院ではID(6桁程の番号)での識別を徹底していました。
そして、私は患者さんと少しでもコミュニケーションをとれるよう、挨拶程度の言葉は予習してから行ったのですが、どんなに真似しても発音が微妙に異なるようで、私の言葉はほとんど通じませんでした。
現地の日本人スタッフは、きちんと聞き取れるクメール語を使っており、尊敬しました。
(しかし、文章はさすがに難しすぎるので、通訳スタッフもいました。)
ちょっとした声掛けが通訳なしで現地語でできると、患者さんの安心感に繋がると思います。
もっと長くいれば、私のクメール語も伝わるようになれたのかな・・・
仕事内容
カンボジアでは、手術介助、外来診療、入院患者の点滴管理等が、主な内容でした。
こう書くと、日本の病院と似た感じがしますが、使う物品も環境も、全然違って驚きの連続でした。
日本では他の職種がやるような、機材を滅菌したり、採血スピッツを検査装置に入れたりといった仕事も、看護師がやりました。
(とても印象に残った患者さんの話はまた別の記事で・・・)
カンボジアの医療水準の向上が目的
カンボジアでの活動を通して感じたことは、現地の日本人スタッフが、とにかく全員心が綺麗であることです。
そもそもカンボジアでボランティア活動をするには、もちろんお給料はなく、逆に現地医療活動費を支払っています。
そして、活動の目的は、現地人スタッフと共に活動することを通して、医療を勉強してもらい、15年後には現地人スタッフだけで病院を成立させられるよう指導することです。
その場その場での患者さんの治療ももちろんですが、長い目で見てカンボジアの医療水準を向上できるよう支援することが、大きな目標と伺いました。
ポルポト政権以降、カンボジアには医師が少なく、一般市民は未だに医療と魔術を同等の物と考えている人も多いのです。
カンボジアの人々を救いたいという気持ちだけで、お金儲けなどは一切なく、日本より遥かに幅広い業務を笑顔でこなし、クメール語を使いコミュニケーションをとっている現地の日本人スタッフを、私は心から尊敬しました。
この経験から得たこと
日常の面倒だけどやるほうが良いことを率先してやる
私がカンボジアの医療を変えることの役に立つなんて、とても短期間ではできませんでしたが、私自身の考え方、行動はカンボジアでの医療ボランティアを経験し、変わったと思います。
現地の病院へ到着した日、ベテランの日本人看護師がとても忙しいのに短い休憩時間で自主的にトイレの清掃をしている姿を見て、私は汚れていることに気づきながら行動できなかったことを恥ずかしく思いました。
その日以来、私は自分にできること、人の役に立てることをどんどん見つけ、見つけたら迷わず行動することを心がけました。
カンボジアの医療現場で私ができることはとても少ないので、できる限り多くの経験を積めるよう診療に参加しながらも、誰でもできることは私がするぞという気持ちで、病院の清掃にも励みました。
面倒だけどやるほうが良いことって、日常で多くありますよね。
誰かがやってくれないかな、と思ってしまうことはありますが、その度にカンボジアでのスタッフの皆さんのことを思い出すようにしています。