秘書検定というものをご存知でしょうか?
「秘書になる予定はないから、関係ない」と思わないでください。
私自身看護学生時代に周りで秘書検定を受ける人はおらず、就職後も秘書検定を全く身近に感じることなく過ごしてきました。
しかし、一般の企業への就職を目指す大学生の間では、秘書検定を受け、履歴書の資格欄に「秘書検定○級」と書く人が多いそうです。
そして私は転職活動をする中で秘書検定というものを知り、看護師も秘書検定を取っておくとたくさんのメリットがあることがわかったので、この記事で紹介することにしました。
こんな人にオススメ
- 何か資格を取りたい
- 一般知識、マナーを身につけたい
- 就職活動や転職活動で周りと差をつけたい
本記事の内容
- 看護師が秘書検定を受けると良い理由
- 勉強方法、期間、難易度など
- 受験方法、料金、CBTについて
秘書検定とは
秘書検定とは、公益財団法人実務技能検定協会の「文部科学省後援ビジネス系検定」の1つで、学生や社会人に人気のある資格です。
秘書に求められる知識・技能についての試験ですが、試験に合格すると秘書に求められる知識・技能だけでなく、一般常識や敬語の使い方、電話対応やビジネス文書の作成など、社会人に必要な能力が身についていることを証明できます。
秘書以外でも、社会人全般におすすめの資格です
各級のレベル
秘書検定には、難易度の低い順から
3級、2級、準1級、1級の4つがあります。
3級
一般常識や基本的なビジネスマナーの理解
主な受験者層は高校生であり、看護学生や看護師が受けるには少し物足りない難易度です。
英検や漢検なども同様ですが、あまり難易度の低い級を履歴書に書くと「この級までしか取れなかったのか」と思われてしまい、かえって印象が悪くなる可能性があります。
後述のように就活等で役立てることを考えると、2級以上の受検がおすすめです。
2級
電話対応や接客、仕事の優先順位の付け方など応用的な範囲の理解
主な受験者層は大学生、社会人で、2級以上なら履歴書に書くと有利になるとされています。
また、受験に面接がないのは2級までです。
気軽に受けやすいという点でも、2級の受検がおすすめです。
準1級
適確な判断力や対応力など、中堅秘書としての能力
主な受験者層は大学生、社会人です。
面接も含む試験で、大学生や接遇を重要視する職種以外の人が準1級を取っていると一目置かれ、就活や転職活動で有利になります。
1級
上級秘書としての能力
主な受験者層は現役の秘書、社会人です。
現役の秘書のスキルアップや、接遇を重要視する職種の人のスキルアップが主な目的です。
大学生で受検する人はかなり少なく、看護師が目指すにはハイレベルすぎる印象です。
筆記試験は全問記述式で、面接はロールプレイングなど、知識だけでなく技能も重視され、独学での合格はかなり難しいとされています。
3級~準1級までは出題範囲が重複しているため、3級と2級、2級と準1級などの「ダブル受験」も人気です
看護師が秘書検定を取る目的
就活・転職活動で役立つ
私の看護学生・看護師人生において、秘書検定はほとんど話題にすら上がりませんでした。
しかし、先述の通り、秘書検定を持っていると社会人として必要な能力が身についていることの証明となります。
就活・転職活動において、資格欄は必ず確認されます。
そこに「秘書検定2級取得」と記載できると、周りと差をつけられます。
また、履歴書で差をつけられるだけでなく、正しい敬語や態度などの技能を身につけることは、面接対策としても非常に有用です。
そして転職活動の場合、先方とメールで病院見学や面接日時の調整をすることが多いですが、そこで完璧なビジネスマナーを心得た文面を送ることができると好印象です。
秘書検定の取得が有利になる職場としては、
有料老人ホームなど接遇を重要視する病院・施設、美容クリニック、治験コーディネーターなどです。
フレンドリーであることよりも、丁寧な接遇・マナーを重要視する職場では、秘書検定を持っていると特に有利です。
実際、転職活動の際に「秘書検定は持っていますか?」と面接官に聞かれたことがあります
仕事の接遇で役立つ
看護師の仕事は、高齢の方とのコミュニケーション場面が多いです。
耳の遠い方だと、丁寧な敬語を使った言葉遣いよりも簡単な言葉や単語で伝える方が伝わりやすい場合が多く、看護師はタメ口でコミュニケーションを取っている人もいるかと思います。
しかし、患者さんの中には社会的地位のある成人の方もいますし、入退院や面会ではご家族と関わる場面もあります。
ご家族と電話でやりとりをすることも多いでしょう。
その際に、正しい敬語を使えない、ビジネスマナーがわかっていない、というのは印象を悪くしかねないです。
逆に完璧な言葉遣いと態度で関わることができれば、患者さんやご家族からの見る目も変わります。
とある会社の社長さんが入院していたとき、私の接遇を気に入ってもらえ、是非うちの会社へ来てもらえないかと正式なスカウトを受けたことがあります
仕事外でも役立つ
看護師をしていると医療知識は一般の人より豊富ですし、頭を使う仕事なので賢い人が多いです。
しかし、世界が医療業界だけになるため、他の業種の人にとっての「一般常識」を知らないこともあります。
例えば、高校時代の友人との食事や、他業種の人との合コンなどの場面では、当たり前のように「ロイヤリティー」「キャピタルゲイン」「M&A」などの言葉が会話の中で出てくることがあります。
悪意なくこれらの言葉を使っているのだとは思いますが、看護師だと馴染みのない言葉で理解できない方も多いと思います。
そこで、きちんと他業界の言葉も理解しており会話に加わることができれば、その人からの見る目も変わるかもしれません。
一般企業の男性から「業界が違うのによく知ってる」と思われたら、恋愛や婚活にも有効かもしれません
勉強方法
私は、秘書検定2級を受けました。そして無事、余裕を持って一発合格することができました。
以下は、2級に関する内容です。
難易度、時間配分
正直に書くと、勉強すれば誰でも受かるし、勉強しなければ受からないといった感じです。
主観ですが、イメージとしては運転免許の試験のような難易度で、「勉強せずに試験に臨むと難しいけれど、世の中のほとんどの人が合格できるレベル」です。
合格ラインは6割で、1級以外は選択問題(5択)がほとんどです。
社会人経験やアルバイト経験があれば、事前に対策していなくてもわかる問題も多いです。
また、時間配分に関しても心配はいりません。
100分間の試験ですが、問題数は33問で、1問ずつじっくり考えながら回答していっても30分前後で一通り終えられます。
その後ゆっくり見直しをしても、半分くらい時間が余るのではないでしょうか?
人によってスピードは違うとは思いますが、それでも時間が足りなくなることはまずないと思います。
おすすめの本
私は、ネットの口コミ等を調べた結果、「秘書検定2級に面白いほど受かる本」で対策しました。
他の本は購入せず、こちらの1冊だけを使いました。
公式の対策本ではありませんが、出題範囲をかなりカバーされており、各項目に練習問題も載っています。
ページ数は277ページで、他の対策本と比較し薄い方だと思います。
正直、この本1冊だけでは満点を取ることはできません。(元々知識が豊富でセンスもあれば別ですが)
しかし、この本1冊だけで合格は十分可能です。
私はこの本の内容はきちんと覚えて試験に臨みましたが、この本には載っていない知識問題も出題されたため、ベースの知識勝負に負け、点数を失いました。
また、「必要とされる資質」の分野は、過去問をたくさんやりこむことで傾向を掴むことができ、点数があがると思います。
この本には練習問題が載っていますが、問題数としては多くはないため、しっかり対策をしたい方はこのような問題集も別で1冊購入することをおすすめします。
例えば、先輩秘書が後輩秘書へ指導する際の言動として適切かどうかを考える問題で、
「仕事でミスの多い後輩に対し、後輩のミスについて順を追って話し、仕事を正確に行うことの大切さを教育する」という選択肢があります。
これは後輩のやる気が失われてしまう可能性があるため「不適切」になるのですが、正直難しいと思いませんか?
このような問題は、過去問をたくさん経験することで正答できるようになってきます。
勉強期間
勉強期間については、人によって記憶のスピードも効率も違うので一概には言えませんが、いろいろなサイトや問題集の冒頭に書いてある通り、2か月の勉強期間があれば十分だと思います。
それらは1日に30分~1時間を目安に勉強、と書いてありますが、実際毎日はできないと思います。
それでも2か月で考えて良いし、2か月弱や1か月半でも良いと思います。
ネットで秘書検定の経験者を探すと、「前日から勉強を始めたけど一発合格」などの勉強時間短い自慢もあれば、「全世代幅広い学力の人がこれだけやればほとんど合格できるでしょう」というそこまでやるのか提案もあります。
この記事は、看護師の国家試験に合格できる賢さのある方々へ向けて書く、現実的な提案です。
2周はじっくり読む
277ページあるこの本を、最初から最後まで2周読みました。
さくさく読んでいくのではなく、きちんと理解し記憶する意識を持って読むと、1周5時間程度かかると思います。
読んでいる途中でウトウト眠ってしまったり、集中力がなくなってしまったりするので、1周だけでは心配です。
また、この本のうち半分程度は暗記系ではなく読んで理解できれば良いものです。
実際の試験も半分は知識を問うというより、「どのように行動するか?」「どう考えるか?」といった内容です。
選択肢の中にはどう考えても違和感しかないものも多いので、秘書としての基本的なマインドさえ押さえておけば得点できる問題が多いです。
暗記系を直近の数日で繰り返す
会社や経営、法律に関する知識などは、知らない言葉もあるため2回読むだけではなく、繰り返しました。
また、時候の挨拶なども、看護師をしているとあまり触れることがないため、繰り返し確認しました。
その他の所謂暗記系とされるものは敬語についてが多いですが、敬語はこれまで学校や実生活で使うことが多かったため、一から覚える必要はない元々知っている内容が多いと思います。
受験方法
申し込み
秘書検定は例年通りであれば、年に3回2月、6月、11月に試験が開催されます。
そして、2つの級までの併願が可能です。
履歴書に記載する資格としては上位の級のみで十分ですが、例えば3級は合格するが2級はボーダーラインと予想する方は、両方受けておくと2級が合格ならラッキー、不合格の場合でも3級に合格していれば記載できる資格を作ることができます。
申し込み方法は、インターネット、郵送、書店の3種類ありますが、インターネットでの申し込みが手軽なので良いと思います。
また、2021年3月より、3級と2級の秘書検定は年3回だけでなくコンピューターから好きな日に受けられる「CBT試験」も始まりました。
CBT試験の詳細は後述します。
※準1級と1級はこれまで通り、年に3回の試験のみです。
料金
秘書検定の受験料は、下記の通りです。
CBT試験の場合、800円の手数料が追加でかかります。
- 3級:2800円
- 2級:4100円
- 準1級:5300円
- 1級:6500円
CBTとは
株式会社シー・ビー・ティー・ソリューションズが各試験を運営している団体から委託され、試験運営システムの構築と運営業務を行うシステムです。
試験の申込受付業務、決済、試験の実施、採点、帳票作成、受験者の管理、試験分析などを統合してCBTソリューションズが行います。
つまり、年3回のチャンスで、限られた試験会場へ行き受験する形から、全国280か所にあるCBTソリューションズの運営するテストセンターのパソコンを通して、いつでも秘書検定を受験することが可能になりました。
テストセンターのパソコンからの受験です。自宅からは受けられません。
テストセンターの空き状況次第では、希望の日時に受けられないこともあります。
CBTのメリット
①受験のチャンスが増えた
仕事の繁忙期を避けるなど、自分の予定に合わせて受験日を決められます。
また、3日後以降の日時を選択できるため、不合格だった場合にすぐ再チャレンジが可能です。
全国280か所と会場も多いため、多くの人が受けやすくなったと思います。
②その場で結果が出る
パソコン画面で問題を解いていき、全て終了し「試験終了」をクリックしたら、その場で合否判定がでます。
また、スコアレポートも帰りに受け取ることができます。
翌日から、合格証明書もオンラインで確認・印刷できるようになります。
CBTの注意点
①問題の全体を見ることができない
全30問以上ある問題を、1問ずつしか読むことができません。
例えば「直前に見直して記憶した内容を覚えているうちに書いてしまいたい」と思っても、その内容の問題が出題されているかは1問ずつクリックしてページが推移するのを待たないとわかりません。
そうしているうちに、直前に記憶した内容を忘れてしまうかもしれません。
②問題を持ち帰れない、正答がわからない
年に3回の試験は問題と模範解答が公表されますが、CBT試験の場合は問題を持ち帰ることはできませんし、メモすることもできません。
正解を確認することもできないため、スコアレポートを見ても何が間違っていたのかわからずモヤモヤしてしまいます。
③対策が疎かになるかもしれない
年に3回の試験であれば、不合格になると4か月後の再試験となるため、なんとしても一発で合格しようと頑張ると思います。
しかしCBT試験の場合は3日後から再チャレンジできるため、それは良い点でもありますが、「だめならまた受ければいいや」と納得のいく勉強をしないまま試験に臨んでしまうかもしれません。
当日の流れ
30~5分前にテストセンターに到着する必要があります。
- 身分証明書を用いて本人確認があります。
- 禁止事項等の書かれた用紙を確認し、同意のサインをします。
- 5分前から試験会場に移動するため、それまでに指定されたロッカーに荷物を片づけます。
- 試験会場へ移動し、指定されたパソコンの前に座ります。
- 渡された用紙に書いてあるIDとパスワードを入力し、CBTのシステムにログインします。
- 自分の名前が正しく表示されていることを確認します。
- 問題の表示のされ方やパソコンの使い方などを確認する「練習ページ」を操作します。(試験時間には含まれません)
- 自分のタイミングで試験を開始します。
- 100分間ですが、早く終われば「試験終了」をクリックしてOKです。
- その場で合否判定が出ます。
- 「結果を印刷する」をクリックすると、受付でスコアレポートがプリントされます。
- 試験会場を出て、受付でスコアレポートを受け取ります。
- ロッカーから荷物を取り出し、ロッカーのカギを返却して終了です。
各問題にチェックボックスがあり、「後でもう1度見直したい」「自信あり」など好きな用途でチェックを入れられます。
試験中いつでも画面左下の「問題一覧(←正確な名前は忘れてしまいました)」をクリックすると、問題番号がすべて表示され、その横に「回答済」「未回答」のどちらかがわかるようになっており、さらに「チェックを入れた問題」も黄色く表示されます。
そして問題番号を押せばその問題のページに移動できます。
「問題一覧」で回答漏れや見直し忘れを防ぐことができるため、是非活用しましょう!
パソコンだと見直しがしづらいという難点があると思っていましたが、見直しやすいよう工夫されていました
持ち込めるもの
試験会場に持ち込めるものは、下記のみです。
- 荷物を入れたロッカーの鍵(必須)
- 身分証明書(必須)
- IDとパスワード等が書かれた用紙(必須)
- 配られたメモ用紙(試験後回収)
- 配られたボールペン(試験後回収)
- ハンカチ(スタッフに広げて見せて許可を得る)
- ティッシュ(スタッフに見せて許可を得る)
- 目薬(スタッフに見せて許可を得る)
腕時計は持ち込みできないため、ロッカーに入れる必要があります。
体にメモなど書き込みがあると、不正とみなされる場合があります。
環境
テストセンターによって違いはあると思いますが、私が受験した際は、塾の自習室のようなイメージの会場でした。
机が2列向かい合って横並びになっており、正面と左右に仕切りがあり、周りの人が見えないようになっています。
各席にナースコールのようなボタンがあり、希望者は追加のメモ用紙や耳栓をもらうことができます。
また、もしも途中でお手洗いに行きたい場合も、ボタンで対応してもらえます。
まとめ
この記事では、秘書検定について紹介しました。
就活や転職活動の際、履歴書の資格欄は必ずと言っていいほど見られます。
一般の大学生が秘書検定の資格を持っていてもあまり目立ちませんが、看護学生や看護師が資格を持っていると一目置かれます。
また、履歴書だけでなく、面接での言葉遣いや態度にも秘書検定の勉強は役立ちます。
そして、秘書検定は転職予定のない看護師にもおすすめです。
患者さんにはフレンドリーに接することも必要ですが、ご家族や他職種には社会人として丁寧な敬語や態度で関わる必要があります。
対面での会話であれば笑顔や雰囲気でカバーできますが、特に電話対応の場合は丁寧な接遇ができると印象が良くなります。
秘書検定は2級までならさほど難易度は高くなく、勉強をすれば誰もが合格できるレベルです。
しかし看護師の場合は資格を持っている人が少ないため、周りと差をつけられるので、是非時間を見つけて勉強し受験してみてください。