大学や専門学校を卒業後、病院等に就職する際には、必ず面接があります。
附属の病院への就職で、ほぼ確実に合格するとしても、やはり面接は今後の印象にも関わる重要なものです。
また、転職の場合は前職を辞めた理由や今回は続けられそうか等、視点が変わってきます。
この記事では、何度も面接を受けたり、就職後面接担当者から話を聞いたり、面接対策を受けたりした私が、これから面接を受ける方々へ看護師の採用試験面接のポイントを伝えたいと思います。
こんな人にオススメ
- 採用試験を控えている(面接を受ける予定がある)
- 身近に看護学生がおり、面接対策の手助けをしたい
この記事ではこんなお悩みを解決します!
本記事の内容
- 看護師の面接で、面接官が確認すること
- 準備しておくべき質問の返答
- その他注意点
目次[表示]
面接官が注目するポイント
思考力
社会人として妥当な思考力、地頭の良さをみられます。
特別高度な能力を求められているわけではないので、心配はいりません。対策は不要です。
相手の意図を読み取れるかが大切になるので、話しているうちに面接官からの質問内容から脱線し戻ってこれなくなってしまわないよう、質問内容を常に頭の片隅に置いて、答えていきましょう。
自己PRをする際に、具体的なエピソードを交えて話そうとしたら、結論がそのエピソードの感想になってしまった等
話が逸れてしまっていると気づいたら、「こういった経験から、○○できる点が私の強みであると考えます」等、最後に修正を図りましょう
コミュニケーション能力
適切な言葉選びができるかがポイントです。
「適切な」というと難しく感じるかもしれませんが、丁寧な言葉遣いであれば基本的に問題ありません。難しい言葉を使う必要はありません。
患者さんに対してしたことを「○○してあげたら…」、「○○させたときに…」と表現するのは、印象が悪くなります。
また、面接官が話している時は聞くことに徹するのは重要です。
こちらの話したことが正確に伝わっておらず、面接官が勘違いしている様子の場合など、ついつい割り込んで修正したくなってしまうかもしれませんが、ひとまず聞き、自分の話すタイミングになってから伝えたいことを話しましょう。
笑顔や目線
看護師は患者さんと対面する場面が多いので、笑顔はかなり重要です。
緊張していても、無表情になったり、関係のない方向を見たりしないよう、気をつけましょう。
Web面接の場合は画面内の人物ではなくカメラを見ることを心がけましょう。
一貫性
履歴書に志望動機を記載していても、再度面接でも志望動機を聞かれます。
複数の病院・施設などの採用試験を受ける方は特に、どこにどのような内容の志望動機を書いたか曖昧になってしまうことがあるかと思います。
しかし、履歴書の内容と全く別アプローチの志望動機を話してしまうと、一貫性に欠けてしまうので、注意しましょう。
また、その場しのぎのカッコつけた発言をしないことも重要です。
面接官が複数人の場合は特に、似たような質問をされることがありますが、「さっきと同じ返事にならないように」と意識しすぎて軸となる考えがぶれてしまわないよう気をつけましょう。
看護をする上で一番大切にしているのは○○と答えたのに、別の質問の途中で△△を一番大切にしています、と言う(わざわざ「一番」とつけなくて良い)
素直さ
この職場に順応できるか、最初の研修で素直に指導を受けられるか等、面接官は判断したいと考えています。
未経験の分野なので相当な努力が必要と覚悟していますが、早期に戦力となれるよう学ぶ姿勢を大切に頑張っていきます
協調性
他者を思いやって仕事ができるかを、面接官は見ています。
看護師の面接ではグループ面接は滅多にありませんが、他者を思いやる考え方をしているかという点には注目しています。
他職種との連携に関するエピソードがあれば、話すと良いかもしれません。
職場の雰囲気に合うタイプか
履歴書の志望動機を書く時点での話になりますが、就職先の理念や事業内容を理解して臨むことが重要です。
就職先のやっていることや大切にしていることと、自分のやりたいことが一致している必要があります。
また、その職場が看護をする上で大切にしていることに共感し、馴染めるタイプであることをアピールしましょう。
貴院の理念の○○に共感し…
これまでの△△経験を活かして…
以前から興味がある□□に挑戦したい
その病院ではほとんどない病名をあげ「○○の看護をしたい」
ADLが高く自立した生活を送る高齢者施設で「ベッドサイドで入居者さんと過ごす時間をできるだけ長く確保したい」
長く続けられそうか
採用担当者としては、離職率を上げたくないのが本音です。
前職の退職理由を詳しく質問されることが多いのは、同様の理由でまた辞めるのではないかと考えているためです。
不自然ではない程度に粘り強さや忍耐力を伝えるエピソードがあれば良いかもしれません。
女性の場合は、結婚や出産、転居の予定を聞かれることが多いです。
確定している予定は伝え、未確定の内容はわざわざ言わなくて良いです。
予定を伝える際には、同時に仕事を続ける意思を伝えましょう。
○月に結婚予定があり、それに伴い引っ越しも予定していますが、通勤時間はさほど変わらない場所で考えております。結婚後も仕事は変わらず続けていきたいと思います。
頻度の高い質問(答えを準備)
志望動機
志望動機については、必ずと言っていいほど聞かれるので、対策をしておきましょう。
履歴書の内容との一貫性が必要なので、履歴書に何を書いたか控えておきましょう。
また、志望動機は就職先の理念や特徴との一致が不可欠なので、ホームページなどで予習しておきましょう。
志望動機は前向きであることが大切なので、スキルアップについても言及できるとより良いです。
転職の場合は特に、経験を活かせることばかりにならず、スキルアップしたいという意欲的な側面を加えましょう
看護師になった理由
リアリティーのある等身大の理由で十分なので、無理して見栄を張らないようにしましょう。
母親も看護師で、小さい頃から施設で働く母から仕事の話を聞いていました。(具体的なエピソードを話し、憧れを持った理由等を話す)
戦争のニュースを見て、自分にできることを考えました
前職の退職理由
転職の場合は、必ずと言っていいほど受ける質問です。
採用担当者は離職率を上げたくないため、同じ理由でまた辞めそうだなと思われる内容や、前職を悪く言うようなネガティブな内容は避けましょう。
好まれる退職理由としては、前向きであること、スキルアップになることです。
前の職場でがん看護に興味を持ちました。今後はがんに特化した病院で働き、さらにスキルアップしたいと考えたため、転職を決意致しました。
人間関係がうまくいかなかった
給料が少なかった
夜勤が多かった、休みが少なかった
自己PR
抽象的な内容にならないよう、具体的なエピソード、経験を交えて話しましょう。
また、前項目の「面接官が注目するポイント」に含まれる「素直さ」「協調性」「忍耐力」を含むエピソードだと、より良いアピールになります。
長所と短所
こちらも、実習での経験や部活動など、具体的なエピソードと共に話しましょう。
短所については、それをどのように注意し、補っているかを合わせて伝えるようにしましょう。
長所は、リーダーシップがあることです。
短所は、飽きやすいことです。
長所は、リーダーシップがあることです。中学・高校では、○○部で部長を務めており、3年生の大会ではチームで団結し、過去最高の成績を収めることができました。
短所は、やや飽きやすいことですが、目標や計画を立て定期的に評価することで、英会話の学習は○年継続できています。
実習中の印象に残っているエピソード
転職の場合は、前職でのエピソードの場合もあります。
自信の看護がうまくいったと感じたエピソードでも、難しいと感じたエピソードでも構いませんが、結論として前向きな気持ちを伝えましょう。
逆質問
「最後に、何か質問はありますか?」という質問です。
ここでは、やる気の伝わる前向きな質問が好まれます。
こちらで御縁をいただけるとしたら、就職までにどのような勉強をしておくべきでしょうか?
どのようなタイプの人が、特に活躍されていますか?
ありません
お給料、休暇に関すること(転職サイトを利用している場合、スタッフを通して確認してもらえます)
その他注意
理由もセットで返答する
一言で答えられる質問には、返答だけでなく理由も合わせて答えるようにしましょう。
尊敬する人はいますか?
→はい、○○です。その理由としては、、、
ポジティブな要素も付け加える
退職理由や短所など、正直に答えることは重要です。
しかし、ややネガティブな内容を話した場合は、それを補うポジティブな内容も付け加えましょう。
結婚し家庭を大切にしたいと考えたので、前職は夜勤が月に5回あるのが厳しく、退職致しました。
夜勤のない勤務体制であれば、数時間の残業なら問題なくできますので、仕事は責任を持ってやり遂げます。
自分を過大評価しない
必要以上に良く見せようとするより、謙虚な姿勢やこれから成長していきたい姿勢を見せることが大切です。
アピールは志望動機や自己PR等、他にもチャンスがあるため、全てで良く見せようとしなくても大丈夫です。
自分の仕事に点数をつけるなら?
→50~60点くらいにしておく
実習や前職で、苦労したことは?
→特にありません。
嘘をつかない
自分を良く見せようと、思わずできないことをできると言ったり、知らないものを知っているふりをしたりするのは避けましょう。
さらに踏み込んだ質問に答えられなかったり、転職サイトへ伝えていた内容と不一致があったりすることで、信用を下げたり一貫性がないと評価されたりするので、くれぐれも気をつけましょう。
身だしなみ
金髪やボサボサのロングヘア、音の出るハイヒールなど、目立つほどのマナー違反ではなければ大丈夫です。
スーツやそれに近い服装、派手すぎないネイル、長い髪はまとめるなど、常識的なことができていれば、それにより合否が変わることはまずありません。
挨拶
会場で案内をしてくれる人への態度も見られている、という話も聞くことがありますが、大きな病院ではあまりないです。
学生アルバイトやたまたまその日の仕事が少ない事務スタッフが担当することが多いので、わざわざ採用担当者に告げ口することはまずありません。
しかし、クリニック等、風通しの良い小さなコミュニティーであれば、伝わる可能性はあります。
ただ、会場外での挨拶など面接の評価には響かないとしても、きちんとやっておくに越したことはありません。
ですが、看護師の就職活動においては面接会場外の態度は実際ほとんど評価に影響はしないので、何か失敗したと感じても、気にしないでおきましょう。
まとめ
看護師の面接は、基本的な受け答えができるかどうか、人柄に問題がないか、を確認しているだけの場合が多いです。
よくきかれる質問の対策さえしておけば、後は緊張しすぎず落ち着いて答えることができれば大丈夫です!
人気な病院は合格率が低いですが、受からなかった場合も面接が理由ではない可能性も高いので、決して面接への苦手意識、さらには自己肯定感の低下に繋がらないよう、ある程度気楽にいきましょう。
秘書検定の資格を持っていると履歴書的にも有利ですし、面接で役立つ敬語やマナーも身につけられます。
治験コーディネーターの面接は一般的な看護師の面接とは異なるため、こちらの記事を参考にしてください。