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手術後の傷|ミャンマー人に言葉は伝わるのにやってくれない謎が判明

2022年3月13日

ミャンマー看護経験ミャンマー人の考え方と日本との違い

カンボジアの次は、ミャンマーのザガイン地方にある病院で、医療ボランティアを経験しました。

カンボジアとミャンマーは近い位置にある国だし、似た感じでしょうと思いながら現地へ行きましたが、国の背景が異なるため、医療現場も違うことがたくさんありました。

タイトルに「やってくれない」と書きましたが、前提として、ミャンマーの方はみなさんとてもとても良い人です。

いつも笑顔で、寛容で、私たち医療スタッフがお待たせすることがあっても、約束を守れないことがあっても、患者さんの服を汚してしまっても、怒ることなど一度もありませんでした。

患者さんの家族全員で私たちが行う医療処置に協力的で、いつも終わったら笑顔でお礼の言葉をくれました。

しかし、私がミャンマーの人の気持ちを理解できず、どうして?と思ったエピソードを2つ紹介します。

術後の指示を守ってくれない

飲み水で洗うこと

1人目は、手術後の患者さんで、体に大きな傷口があるので、感染を起こさないよう清潔に保つ必要がありました。

日本では水道から綺麗な湯が出るので、傷口はシャワーで洗うよう患者さんへ説明すれば良いのですが、ミャンマー人は、体を洗うのは基本的に川の水です。

川の水は清潔とは言い難いので、患者さんには「傷口は飲み水で洗って清潔にしてください」と説明しました。

ちなみに、カンボジアのクメール語とは違い、ミャンマー語は通じやすいです。(カタカナで読みをメモし、そのカタカナを読めば通じる程です。)

傷口の管理については重要なので、念のため私のカタカナ発音だけではなく、通訳の方を通して、きちんと説明しました。

しかし、その患者さんの傷口は、感染を起こしてしまい、治りが悪かったのです。

何故だろうと思い、どのように傷口を洗っているか質問すると、手術前と同様に川の水で洗っていたと言うのです。

抗生剤を飲むこと

2人目は、熱の出ている患者さんで、先輩の日本人スタッフと相談し、抗生剤を飲んでもらうよう伝えていました。

まず驚いたのは、抗生剤の指示を医師が不在の期間は看護師が判断できることです!

日本とは大きく異なります。

先輩と相談し、患者さんの状態に合う抗生剤を検討し、「この名前の薬をあそこの薬局で購入し、1日1回忘れずに飲んでください」と説明しました。

毎朝その患者さんに今日も忘れず飲んだか聞くと、手元にある薬を見せてくれ、飲んでいるよと返事がありました。

しかし、この患者さんの熱は一向に下がりませんでした。

そしてある日、その患者さんが手元の薬を別の患者さんに渡している姿を見かけました。

どういうことか質問すると、実は薬を購入しておらず、同じ薬を持っている別の患者さんから薬のシートを借り、私たちの前では飲んでいるふりをしていたのです。

行動の背景にある思い

私は、この2人の患者さんが、私たちの説明を理解しているのに実行していなかったことが不思議でした。

そのせいで、彼らは傷の治りが悪くなったり、熱が下がらなかったりと、問題が生じているのです。

どうして飲み水で傷口を洗わなかったのか質問すると、彼は「飲み水があれば家族に飲んでもらいたい」と話しました。

また、どうして薬を飲まなかったのか質問すると、「薬を買うお金があれば、家族の食料を買いたい」と話しました。

これらの返答は、私にとって衝撃でした。

医療者からの指示を守らないことの背景には、ミャンマー人の家族を思う優しさがあったのです。

日本では、傷口を清潔な湯で洗うように説明し、(怖くて洗えない人はいても)汚い水で洗う人はいませんし、処方された薬を購入すらしない人はいませんでした。

なので、どのように説明すれば彼らに私たちの指示を実行してもらえるのか悩みました。

そして私は、まずその患者さんのこと、家族のことを知ることから始め、信頼関係を築き、家族のためにもあなたの体を治すことが大切である、あなたの体が良くなることが家族の喜びではないかと伝えることで、患者さんに理解してもらうことができました。

日本では経験のない出来事で、国によって価値観が異なることをリアルに感じました。

価値観が異なる人に、「こうしてください」「きちんとやってください」と伝えても、言葉は伝わってもやってはくれないことがあります。

しかし、患者さんと向き合うこと、しっかり話し信頼関係を築くことなど、看護師として大切なことは世界共通で、日本の医療現場での経験を活かすことができたと感じました。

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